トッド・フィリップス監督の社会格差を風刺した話題作です。主人公は母の介護をしながらコアンを目指して一生懸命に生きている大道芸人です。しかし、心無い人の出会いなど負の連鎖が続き、やがて狂気あふれる悪へと変貌していきます。フィクションの世界ですが、虐待、ヤングケアラー、貧困、格差社会など現代の社会問題を織り交ぜた重厚な作品です。
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

2019年作品。監督:トッド・フィリップス 第92回アカデミー賞でも作品賞ほか11部門でノミネートされ、主演男優賞と作曲賞を受賞した作品。
映画の中のジョーカーは、社会的に不利な状況におかれ抑圧され、まともな支援も受けられず壊れていきます。映画を観終わって、不利な立場の人や弱い立場の人に寄り添うような思いやりのあるやさしい社会であればと思います。
この映画を観てると昔懐かしい名作映画のシーンが思い浮かびます。主人公が鏡の前で踊りながら壊れていくシーンは、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デニーロー主演による映画「タクシードライバー」のワンシーンを彷彿させます。「タクシードライバー」では、主人公が世の中の矛盾に怒り壊れていくシーンとして描かれていています。ロバート・デニーローのその狂気の芝居を40年以上の時を経て「ジョーカー」へ受け継がれてます。この映画は、名作映画のオマージュと思われるところがいくつかあり映画に対する愛情とリスペクトを感じます。
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